約15mの津波に襲われた「双葉町の地」で前例のないピアノ発表会でした☆題して「ふたば伝承ピアノ発表会」

約15mの津波に襲われた「双葉町の地」で前例のないピアノ発表会でした☆
県民に知ってほしい、フクシマの「まだ」を…

福島県郡山市のピアノ教室、小林音楽教室の小林です。

あの「3.11」に最大約15mの津波に襲われ、あの「3.11」以降、原発事故による被害の爪痕が今もなお残っている「福島県双葉郡双葉町」。その被害ど真ん中に作られた東日本大震災・原子力災害伝承館。

「前例が無い」と言われながらも丁寧な交渉を続けた結果、わが小林音楽教室では、ここ・伝承館を会場とした「ピアノ発表会」を催すことが出来ました♪

題して…「ふたば伝承ピアノ発表会」

様々なきっかけが私、小林のアンテナを刺激して、ようやく無事に開催することが出来ました。

以下、当日の様子をレポートします。

双葉町伝承館・外観

開催日は9月3日(日)。発表会の開演予定は10:15、準備は9:00開始予定。よって朝の出発は7時前。出発時にはなんだか雨雲っぽいものの、結果的には快晴そのもの☆欲しい以上に暑すぎ(笑)。でもホッとしましたよ。

双葉町までの距離は片道で大体90km弱。そんな長い道のりなのにルートは「超」シンプル!郡山市内の「内環状線」に何処かから乗れば、あと「ひたすら真っすぐ」。ホント、一度も曲がらない。約2時間かかりますが、1秒でも早く着きたい私は、郡山中央→船引三春を高速道路利用しました。
結果、走行時間は1時間半を切り、走行距離は(何処にも寄らずに来て)約82kmでした。遠いけれど最高の思い出になりましたよ♪

伝承館向かいの交流センター内に最近出来た「ファミマ」でサンドイッチとコーヒーの朝食。
前に見える緑の向こうが海。施設屋上から海が見えます。

施設屋上からの景観

立派な建物でしょ☆実は私、この交流センターをみて「発表会」を発案♪
実際に、まず交流センターへ発表会開催の相談をし、「ダメ元で伝承館にアタック」してみたところ、なんとか(伝承館での発表会の)許可が下りた次第でした。
(相談で使用した)交流センター内の大会議室は、3面がガラス張りなので演奏会場としても面白い。とても魅力的でしたので機会があればやりたいです♪

伝承館内

発表会の会場として予約した伝承館内の「研修室」は、メインフロアである「展示室」とは別の区画にあります。
当然、研修室の中に「ピアノ」はありませんので、私、小林の私物である「赤い相棒」の電子ピアノを運び入れて発表会の会場作りへ。
準備はとてもスムーズに完了。

発表会・案内
発表会の会場作り
出演する生徒さんは23名でした。任意参加で募ったのでドキドキでしたが、結果的に予想の20人を超えてくれました。

むしろ、椅子が80脚弱。お客さん、みんな座れる?不安でしたけど…イイ感じの満席状態♪

会場の様子
ほぼ定時に発表会スタート。9月17日に開催される「大発表会」のリハーサルを兼ねた今回の発表会です。
ですので、カジュアル以上、フォーマル未満の、とても「品のよい」発表会が進行されました。
発表会・衣裳

衣装に関しては任意。
①リハなので普段着でも
②リハなので本番衣装を試し着&試し弾き
圧倒的に②が多かったのが個人的に嬉しかったです。おそらくママたちも楽しんでいたことでしょう☆

子どもたちだけじゃなく、大人の生徒さん、通称、「おっきいおともだち」も出演してくれました。

発表会・演奏

「こんな機会じゃないと 双葉方面に行かないし」
「福島県民として一度は震災後の双葉を見なきゃ」
私の「想い」がしっかり伝わった参加理由を聞いて、すっかり感動しましたよ☆

最後に。

ピアノ教室の代表として、
この案の責任者として、
そして、
「あのフクシマ」を知り、
「今のフタバ」を知り、
「これからのフクシマ」を切り拓く覚悟で、

私、小林が演奏しました。
曲はベートーヴェンの悲愴ソナタ第2楽章。
…実はこの曲、今は亡き私の母の一周忌のとき、集まってくれた親戚の前で演奏した曲。
「魂」に「魂」で応えるメッセージ。
そんなときに選曲するこのソナタを弾きました。

発表会・集合写真

「出演しないと分からない」
あの緊張、不安、そして達成感までのカウントダウン。
それを経験した者だけしか映っていない集合写真。
「勇者」しかいないからね☆

12時前に終演。
昼食は交流センター内でコレを食べました。

名物「なみえ焼きそば」
名物「なみえ焼きそば」。特大を注文(笑)。豚バラがイイ仕事してた☆

そりゃ発表会をこなせば腹空くってば。特大をペロリと平らげる。
食べ終えたら、おー!お皿が相馬焼だし♪
どこまでも「フクシマ」。
これからも「フクシマ」。

しばらく双葉に来ることはないでしょう。見納めとして伝承館の3階へ。
双葉の「海」にご挨拶。
遠くに船が見えました。
みんなと繋がっているんだ。

ここ「フクシマ」は、今も尚、大変なんです。
乗り越えるにはまず、「フクシマ」で生きる私たちの意識改革が必要だと思います。
そのきっかけになる発表会になる、と私は確信しています。

「応えられる人を育む」
私の教育理念の一つです。