あらすじ

義経が兄頼朝との不和で都を落ち、大物ヶ浦へ向かう途中の物語。義経を討つ為に向かった兄頼朝の兵を討った儀で、弁慶が義経の叱りを受けるが義経の後を慕うて来た、許嫁の静のとりなしで義経の心も和む。

義経千本桜

静は、どうしても義経と一緒に行きたいと、家来達にも頼むが聞き入れられず、ついには静を縛り上げ初音の鼓を添いて一行は立ち去って行く。

その後に追っ手の勢が現れ、静と鼓を奪おうとするが、そこへ義経の家来の佐藤忠信が駆けつけ、見事な働きで敵を追い散らしてしまう。

義経千本桜

この様子を物陰から見ていた義経一行が現れ、忠信の働きをたたえ、褒美に清和天皇の皇いん、源九郎義経の姓名を譲り「まさかの時には自分の身代わりになってくれ」と言い置いて、静と鼓を忠信に託して立ち分かれて行く。

忠信とは、実は狐の化身で狐忠信とも言い、狐六法なども見られる。また静に渡された鼓は「初音の鼓」と言って、この鼓の皮は、忠信の母狐の皮で作られている為、この鼓のあるところを忠信は常について歩いたと言われる。忠信が鼓を恋しそうにする場面も最後にちょっと見られる。

義経千本桜は、並木千柳(宗輔)・竹田出雲・三好松浴の合作。初演は延享四年(1747年)大阪竹本座。一段から五段目まであり、鳥居前は二段目である。

↓ 2017年の柳橋歌舞伎

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