ヲ面ライダーV-ツイン ヒストリー

第2話 踊らされる自分の中の自分

リハビリを経て退院を迎える鮫島。
「先輩ぁーーーい」
「おひさぁーーす。」
その頃の俺は、すっかりリフレッシュ、やる気まんまん。
「よしゃーーぁ、またトラックで走りまくるぞ、」
「無理っす、先輩、、その足じゃぁ、無理っすよ」
「事務所で配車組んでください、先輩」
マジか?、、、ガク、、
今の俺には乗用車が、やっと、、てか。
ある日の帰り道・・・
「やけに眩しいなぁーー、後ろの車、ハイビームだな、」
「おい、、おい、、そんなに飛ばして走るなよ、危ないなぁーー」
俺の車を煽って、追い越す瞬間・・・
「うわ、腕が、、腕が痛い、、」
腕のアザから燃えるような熱さを感じた。
「見えるぞ、、見えるぞ、爆走して急ぐヤツの魂が、、」
悪の形となって、見えるのだ。
体が自然とアクセルを深く踏み込む。
「そうだ、、そうだ、、爆走野郎、、もっと急げ、もっと飛ばせ」
「ほら、どうした、今度は俺が煽る番だぜ、」
「どうした、もっと、飛ばせよ、、」
メーターを見た、160KMだった。
悪魔が微笑んだ瞬間、ヤツの車は大破、真っ赤な炎に包まれた。
ふと、我に返る。
「確かに見えたんだ。ヤツは魔物にとりつかれていたんだ。」
「俺のせいじゃない、、」
「俺の中の俺のせいだ、、」
自分の中の何かが覚醒する。
その日以来、自分の部屋を暗く閉ざして震える自分がいた。
次回、ヲ面ライダーV-ツイン ・・・出会い・・・天女に導かれ