【悩み方入門】「生きにくさ」や人との「関わりづらさ」を克服!

「生きにくさ」や人との「関わりづらさ」を克服!

悩み方入門

約1年8か月に及ぶコロナ禍による三密防止や行動自粛要請、オンラインによる授業やスティホームでの就労など私たちにとって経験したことのない社会生活も、非常事態や蔓延防止宣言の解除により、少しづつ従来の社会生活に戻りつつある現代において、不登校の児童生徒の増加をはじめ、就労困難な大人など社会の変化についていけず、不安や戸惑いを感じている人がたくさんいます。

そこで、今回は「悩み」を克服するためにどうすればよいのか、MHPCマインドヘルスパーソナリティセンターの矢吹孝志先生に聞きました。


❖人生に、「悩み」はつきものです。

日々、私たちは生きていく中で誰でも多かれ少なかれ「悩み」というものを抱えて生きています。そして、悩みは容易(ようい)に解決できるものもあれば、長期に渡り苦悩(くのう)が伴う悩みなど人にはそれぞれ、さまざまな悩みがあります。

ところで、悩みには、私たちにとって「成長、発展」を導くためのプラスの側面を持つ悩みもあれば、反対に「停滞」を生むマイナスの側面を持つ悩みのふたつがありますが、いずれの悩みも悩みが生まれる背景には「快を求めて、不快を避ける」という私たちの本能(欲求)が大きく影響しています。

何かを達成しようと、工夫を凝(こ)らしたり、考え込むことも「悩むこと」であり、その結果、成功したり、物事の達成が叶えられれば喜びを感じます。反対に、挫折や失敗を悔やみ、鬱々(うつうつ)と気分が落ち込んで日常の生活行動を停滞すれば苦しみや悲しみを感じます。ですから生きていく上で避けることができない悩みに対し、どのように対処していけばよいのか、私たちにとって「悩み方」が重要なポイントになります。

人生における「幸、不幸」は「悩み方」の善し悪しによって決まります。あらゆる悩みを生きるパワーに変える「心が折れない・悩み方」を身につけることが生きていく上で必要不可欠な「知的武装(ちてきぶそう)」と言いましょう。

❖「悩み」の本質を知る。

「悩み方」を身につけるには、まず「悩み」はどうして生まれるのかとか、悩みとは一体どういうものか、人は何故、悩むのか、悩みが解決できないとどうなるのか、など「悩み」や「悩むこと」を広範に考え、「悩み」の本質を知ることから始めなければなりません。

❖悩む事がらは多々あるが、悩みの「中心」には何があるのだろう。

私たちの悩みには、健康に関する悩みや人間関係の悩みをはじめ、仕事上の悩み、子どもの問題や教育の悩み、さらに、貧困や経済的な悩みに加え、生き甲斐(がい)に関する悩みなど数え上げたらキリがありません。

ところで、このように多々ある悩みにもその「中心」には共通した「思いや感情」があるのをご存じでしょうか。
私たちの「成長、発展」を導くためのプラスの側面を持つ悩みであれ、停滞を生むマイナスの側面を持つ悩みであれ、その中心には「こだわる、とらわれる」という思いや感情と「思い込む、決めつける」という思いや感情があります。

❖「悩み」は、「不満」と「不安」の2つの思いや感情から生まれる。

プラスの側面を持つ「悩み」であれ、マイナスの側面を持つ「悩み」であっても生まれる背景には、「不満」と「不安」の2つの思いや感情があります。

私たちが悩んでいる時の思いや気持ちを言葉にすれば、「あの時ああしていたら」「こうしていれば、こんなわけではなかった」とか、「どうすればうまくいくんだろう」「何故、失敗するのか」と言った現状に対する「不満」な思いや感情があり、それに「こだわり、とらわれて」悩むわけです。

また、「このやり方で良いのだろうか」「もしかしたら失敗しないだろうか」とか、「人は自分をどのように見ているんだろう」などの不安な思いや感情があって、次には、「おそらく、ダメな人間に見られているに違いない」とか「こんな自分は価値がない人間である」などと勝手に「思い込み」あるいは「決めつけて」悩みます。

人生、「悩む」ということ自体、何ら問題ではありませんが、しかし、悩み続けることは何の意味もありません。

❖「生きる」ことは、「受け入れる」こと。

動・植物は、生命力を駆使して環境に適応(てきおう)しながら生きています。これはダーウィンの進化論です。しかし、私たち人間は動・植物とは違います。私たち人間は、知恵を駆使(くし)して、状況を受け入れ、常に変化しなければ生きて行けない、というのがMHPCの「生き方理論」です。

アフリカ大陸のヌーという草食動物が、乾季(かんき)になると餌である草を求めて何千キロも移動する話は有名です。では、私たち人間はどうでしょうか。気候の変動(へんどう)に合わせて、生きるために日本国内をあちこち移動しているでしょうか。そんなことはありません。私たち人間は、「乾季」という状況を受け入れ、知恵を駆使して事前に食物を蓄(たくわ)えたり、あるいは加工することで食物を保存して生きています。つまり、私たち人間もヌーという動物も乾季という状況下で生きる=受け入れるという点では同じですが、その後の「生き方」という点にでおいては、大きな違いがあるということです。

私たち人間は、知恵を駆使して乾季を受け入れ、備蓄(びちく)や加工、保存するというように変化することで生きているのに対し、ヌーは生命力を駆使して、草原のある環境(場所)へ移動することで、状況に適応しています。このように、人間も動物も生き続けるためにはまず、「受け入れる」という行為が絶対条件になります。

ところが、「悩み」を抱えて苦悩する人は、現実という状況を受け入れることができません。何故、受け入れることができないのかと言うと、「受け入れたくない」という思い、つまり「心の目的」が先にあるからです。解かりやすく言えば、「あの時ああしていたら、こうしていればこんなはずではなかった」という「不満」な思いや感情があるため、「受け入れたくない」という気持ちを抱かせています。また、過去の失敗や挫折によるトラウマが不安な思いや感情を生み、「もしかしたら、○○になるかもしれない」とか「おそらく○○になるだろう」という勝手な思い込みや決めつけによって、現実を正しく受け入れることを困難にしています。

❖「受け入れる」ための「気づき」とは。

すべての出来事やものごとは「起こるべくして起こった、成るべくして成った」当然の結果であるという「気づき」です。さらに、出来事やものごとには「ピンチはチャンス」という側面があり、常にチャンスという「プラスの意味や価値」を見出すことです。このように「当然観念と両面観念」をはたらかせることで、それまでの停滞している生活行動が促進させ、状況を変えていくことになります。

最後に、悩みは「なくすもの」ではなく、常に自分に対して「期待と可能性」を持ちながら、受け入れて行動することによって、状況を変えていく以外に悩みに向き合う方法はありません。

MHPC「すべての悩みをパワーに変える「心が折れない悩み方」から。

取材協力:

MHPC[マインドヘルスパーソナリティセンター]

郡山市芳賀2 丁目21-10
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